<概要及びあらすじ>
本作のタイトルにも入っている「蟲」(むし)は作者の創作であり、我々が一般的に知っている「虫」所謂「昆虫」ではない。「蟲」とは、我々の世界でいえば幽霊や妖怪のような存在がそれにあたるが、作者はそれらの怪異を、一般人には見えない「蟲」という存在の生命の営みから起こる現象と捉え、霊能力者を「蟲師」(むしし)という「蟲」専門の医者、かつ研究者、退治者とすることで、これまでに存在した怪談や霊現象を取り扱った物語とは異なる新たなストーリーを創り出している(但し作中世界においても幽霊等の概念は存在する)。
本作には 様々な種類の「蟲」が登場するが、その生態・行動原理・結果として人に与える影響 等に 合理的な説明が為されており、ファンタジー作品でありながら ハードSFの様な読後感さえ受ける。
時代設定については、作者自身特に設定はされていないそうだが、イメージは「鎖国を続けた日本」、もしくは「江戸期と明治期の間にある架空の時代」といった所との事。ゆえに作中においては、登場人物は主人公を除いて全員和装をしており、登場する風景も日本の原風景を思い起こさせるようなノスタルジックなものとなっている。
物語の語り方として、必ず人物の回想を用いる点が特徴的である。しばしば、回想の中の人物がさらに回想を始めるといった二重の回想まで行われている。その為描かれる世界はギンコが行動する時間や行動範囲に限らず、伝聞による時間・世界を描くことを可能にし、短い物語の中でも驚くほどの深みを与えている。
本作は、「蟲師」である主人公ギンコが「蟲」により引き起こされる様々な謎を解き明かしていく物語であり、基本的に一話完結で物語が構成されている。
第1話 「緑の座」
2007年09月29日
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